フォーレ ノクターン13番

前回、悲しい曲という記事を書かせてもらいましたが


フォーレのノクターン13番


悲しい曲としてフォーレの中では代表的な曲ではないでしょうか? 


どうやら、晩年フォーレは難聴などにより、相当創作力が落ちていたようです。 

そういったさまざまな苦悩の背景の中、フォーレ最期の作品となったのが 


“ノクターン13番” 

です。 


専門的な解説はできないのですいません。 

ある論評を見た時に、この旋律に対して 

「晩年のフォーレは創作力が落ちたため、このような不協和音のような旋律が多い」 

このような表現で書かれてあるのを見たことがあります。 


どうなんでしょう? 


ただ、僕のこの曲に関しての感想ですが、終演近くに2小節ほど、極上に美しい旋律が流れます。 

曲全体を通しても、ホッとするようなキレイな旋律はなく、ほとんどが悲しみと苦悩を表現しているようです。 

全ては、この2小節のためのお膳立てのような気がしています。  


出だしから、なんとも言えない、調号がよくわからない暗く苦悩に満ちた旋律が流れます。

聴いている僕もモヤモヤするような苦悩を思い出すかのようです。  


途中から、その悲しみと苦悩の感情を前面に押し出したような激しい旋律になり、

また終演近くになると、モヤモヤとした苦悩の旋律が流れます。 


ここまでだけでは、多分僕はこの曲を好きにはなっていないでしょう。 

終演の手前、2小節だけ美しい旋律が流れてきます。 


曲の長さからすればほんの一瞬です。 


ただ、これがホントに美しいです。 


これを聴いた瞬間に、今までのモヤモヤしていたものや苦悩、悲しみが救われるような気がします。

計算しつくされた不協和音のモヤモヤ感 


それを解きほぐすかのような一瞬の旋律 


やっぱりフォーレは天才‼︎  


この曲の全てはこの2小節のためにあるのではないかと、僕は勝手に思っています。  

この2小節の旋律をすぎると、また悲しみと苦悩の旋律のまま終演します。 


最初にこの曲を聴いた時、僕はなんとも言えない気持ち悪さしかありませんでした。 


今では、この曲の虜になってしまっています。 


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