チューバ

中学生のころ、ブラスバンド部に入っていました。 

その時に吹いていた楽器が“チューバ”です。 

あまり知らない方もいるかもしれません。 

金管楽器の中では一番大きくて抱えるように吹いている楽器です。  

大きさは一番大きいのになぜか目立たない楽器です。 


ほとんどメロディーラインを吹くこともなく、いつも低音部分を “ボン、ボン”と鳴らしているような感じです。 

ワルツなどでいうと“ブンチャッチャッ”というリズムの“ブン”の部分ばかりをひたすら吹いているという、少し退屈な楽器ですね。  


オーケストラなどでは、コントラバスの陰に隠れて吹奏楽以上に目立たなくなってしまいそうです。 


そんな楽器ですが、結構好きでした。 

何と言っても縁の下の力持ち感がたまらないですね。 


そして、ハーモニーにおいて低音は欠かせません。  

安定感が全然違います。 

吹奏楽で、チューバが手を抜いて音を鳴らさなかったりすると、途端、音にしまりが無くなります。 どんなものかブラスバンドの練習時によくしてました。

低音を抜いてしまうとやはり音が軽くなりすぎて締まりがない。 


それを実感して

「やはり俺がいないとダメなのか」

などと悦に入っていました。 


ロックバンドなどで、ベースが無いようなものでしょうか?  

ピアノを弾いていても、低音部分が旋律を奏でることはあまりありません。 

伴奏のベースになっていることが多いでしょう。 


ピアノ独奏には打楽器パートもありません。

曲によっては低音部が打楽器の役割をしているような事もあります。 


しかし、低音部が抜けるとしまりが無くなる曲なども多いです。 

そこをどういう風に弾くかで、さらに深さを増すことができます。 


目立たないけど、曲全体のバランスを保つ、

締まりを作る、

柔らかさを洗練させる、

リズムを刻む 


色々な役割が低音部分には求められます。 


それをどう表現するかも、ピアノ演奏の楽しさですね。  

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