ピアノを弾く時の脱力

子供のころ、ピアノを習いに行っていると先生に

「肩の力を抜きなさい」 

と言われて両肩を押さえられていました。 


弾きだすとすぐに力が入り、肩が上がってしまう。 

なかなか治りませんでした。  

なかなかピアノを弾いているときに肩の力を抜くというのは難しいですね。


単純に弾いている姿勢の問題だけでなく、気持ちと連動している部分だけにとても難しい課題でしょう。 

練習しているときに、思い出したように肩の力を抜いて脱力を試みても、曲が進んでしまうと、いつの間にか力が入ってしまう。 


なかなか難しい。 


ピアノの奏法は色々とあるようですが、たまたま見た本には  

「骨盤から頭の先まで1本の芯を通しているように姿勢を整えて、肩から腕の力を抜くように」

などと書いてありました。 


これ、ピアノを弾く時とか限らず、人間の良い姿勢の基本なんですね。  

身体を支える筋肉(よくいうインナーマッスル)がしっかりと働くことで、身体を動かす筋肉(アウターマッスル)が楽に動きやすくなるという。 

この時に、身体を支える筋肉が働かないと、身体を動かすための筋肉が過重に働いてしまうので、余計な力が腕にかかってしまうというわけです。 

肩こりなどにも影響します。 


だから、体幹・インナーマッスルを鍛えましょうということです。


 ・・・・と随分話が脱線しました。

元に戻します。 


肩腕に負担がかからないように姿勢を整えて、ピアノに向かうと力が抜けやすいです。  

イスの上でしっかりと上半身、体幹を安定させて呼吸を整えてから、指をそっと鍵盤の上に置く。  


この時点では指や腕には力が入っていないです。 

しかし、曲が進んでくると無理ですね。  

やはり、力が入るというのは姿勢の問題よりも一番は気持ちの問題なのではないかと。 

どんな時でも、緊張が少しでも入ると、肩に力が入ってしまいます。 


ここから先は専門的に正しいかどうかわからないので、僕の勝手な解釈だと思って読んでください。 


なんとか、脱力をした状態でピアノが弾けないものかと考えていたのですが、自分にとって超簡単な曲を弾く時は力が入らないです。 


 例えば童謡の“チューリップ” 

これくらい簡単になると、全然力が入らないです。 

 「なんや、僕でも力抜けてるやん!」 

 なんて楽勝です。


しかし、いつもの練習になってると力が入ってしまう。 


単純に、苦手な部分や無理しているところがあるから、自然と力が入ってしまっているのかなぁと。 

弾きこなしていないからなのかな? 


結構練習している曲を、弾いているときにどのタイミングで力が入ってくるか、自分で分析をしてみました。  


出だしからしばらくは、力を抜くことを意識しているので、脱力は大丈夫。 

しかし、“あれ”と思うタイミングで力が入ってしまいました。 

 苦手な部分の手前ですね。 


どうしてもミスタッチしやすい部分です。

直前からやはり意識をしてしまうのでしょうね。 


そして、一度力が入ってしまうと、そこからなかなか脱力できずにゴールします。  


他にも、やっと譜読みを終えた程度の曲練習なんかでは、いくら意識をしても曲の出だしからすぐに力が入ってしまいます。 


結局は練習がモノをいうのかなぁと。 

指を動きに慣れさせなければ、僕の場合脱力は根本的に無理です。  


指の分離性が悪く、スムーズに動かない時点で腕には力が入ってしまいます。 

指の筋肉というのは肘につながっています。

そのため、指に変な力が入ってしまうと肘関節の動きがぎこちなくなってしまい、自然と肩にも力が入ってしまいます。 


やはり、練習の時にとにかくゆっくりと弾いて、苦手な部分をあぶりださなければならないでしょう。

苦手な部分はゆっくりと弾いても、ぎこちなさが出てきます。

というより、とにかくゆっくりと弾く方が余計に苦手な部分は目立つような気もします。 


そのようにして、苦手部分を確実に克服をしなければ、心理面から確実に力が入ってしまいます。 

苦手部分の克服は並大抵の練習では、なかなか脱力はできませんが。 


あと、気持ちの余裕です。 

苦手部分があったとして、その部分で力が入ってしまっても、そこを過ぎて、すぐに切り替えて脱力できれば良いわけです。  

でもそれをしようとすると、弾いている間の気持ちの余裕が絶対必要でしょう。

曲自体にまだ慣れてない場合は、おそらく脱力は無理じゃないでしょうか。

結局は練習量ですね。 


しかし、その前に脱力をしている感覚がどんなものかを知っておく必要もあります。 

そのために、自分にとって確実に力が入らない簡単なレベルの曲を練習して、それで脱力している感覚を体感しています。  


僕は “さらばピアノよ”  という曲を脱力感をイメージする曲として時々練習しています。 

(この曲、ベートーベンとのことですが、作曲者がよくわからないみたいですね。) 


キレイな曲なので、感情移入もしやすいですし、脱力した状態で、旋律をキレイに浮きだたせる練習にちょうど良いです。  

“さらばピアノよ”を弾いて、その時の肩の感覚や肘の感覚、指の感覚などを分析しています。

しっかりと、脱力して弾いているという感覚を頭に入れておきたいので。


脱力をした状態でピアノを弾くというのはホントに難しいですよね。 

ある意味、永遠の課題のような気もします。


テクニックだけでは何ともできず。 


自分としては、このように解釈して練習をしています。  

といっても、人前に出るとすぐに力が入ってしまいますが・・・・・ 

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